金属表面処理(不動態化処理)について
一般的に「ステンレスは錆びにくい」とされていますが、海に近い地域では海水などによる塩害の影響を受けたり、錆びた鉄製品からのもらい錆によってステンレスも錆びる事があります。
不動態化処理(パシペート処理)はこのような被害から守る為にステンレスの表面に薄い被膜を形成し、耐食性を向上させる表面処理です。
不動態化処理
食品や医療関係の工場などに使用されることが多いサニタリー配管や、原子力設備関連、塗料配管などに施工することが一般的です。
ステンレス鋼の表面に酸化膜(不動態膜)を覆うことにより錆などの腐食から保護し、耐食性を向上させます。
硝酸と弗酸の混合液にて酸洗い処理した後、硝酸のみの薬液槽に浸漬し、酸化膜(不動態膜)を覆います。
酸化膜(不動態膜)は無色透明の為、肉眼では処理前後の比較はできません。
施工例
5500Lまでの製品は浸漬処理可能。大型製品は吹き付けにて対応可能となります。
サニタリーパイプ
ロストワックス製品
フィルターケース
フィルターハウジング
ヘアライン加工品
量産型の小物部品
塗装ラインに使用される塗料配管
食品加工ラインに使用される純水配管
もらい錆の実例
屋内設置のステンレス製タンクが、周辺の錆びた鉄製品から「もらい錆」した状態
不動態化処理を施すことにより被膜を成形させる事をお勧めします。
不動態化被膜の目視検査
検査液により変色を確認「赤」は被膜が無い状態「透明」は被膜が形成された状態
同一部分であっても研磨された面は被膜が破壊される為、「赤」に変色します。
不動態化処理を施すことで耐食性を向上することが可能となります。
ステンチェッカーによる確認
不動態化被膜はステンチェッカーでも確認することが可能です。